もう風船の持ち主はそこにはいないのに、私はなぜか妙に気になって、その紐の先を探した。 少し……高いかも。 もう少し、ほんの少し……。 ぎりぎりまで背を伸ばすけど、なかなか指の先が紐に触れない。 うーんっ。だめか…。 と、その時。 茂みの奥から何か話し声が聞こえて、 ひょいと、のぞいてみると……。 ……見なきゃよかった。