その場の男の子達がほとんどサキちゃんを囲むように話してる。 その中で、トモが「よ!」とかけた言葉に、凱がふっ、と笑った。 「よ!……久しぶり」 自然と縮まる距離の中で、私はまだはっきり凱と視線をあわすことができなくて だって……今の笑顔は、ズルイ。 大人っぽくなったその表情を、あっさりと昔にかえしてしまうんだから。 「よ」 目の前に大きなスニーカーが現れたかと思ったら、上からふってきた少し低い声に、一瞬だけ目を閉じてから、顔を上げた。 元気よく。 なるべく元気よく…。