「あれ?凛?」
大学のキャンパス。昼下がりのオープンカフェに凛の姿を見つけた。
さっき、メールはもらってたけど・・・
「早かったね。ごめん、待った?」
「ううん。さっきまでトモと一緒だったから」
「あ、そっか」
今日から始まってる選抜メンバーの練習。
会場はこの大学なんだ。
「久々に、汐に会いたいな~、って」
「何~~?またトモとケンカしたとか、なしだよ?」
「アハハ。違うよ!・・・・・って聞いたよ?スタッフに選ばれたんだって?」
「選ばれた、って・・・・大学のクラブのメンバーがお手伝いすることに決まっただけだよ」
「ねぇ、汐?」
「ん?」
グラスについた水滴を指で拭いながら、凛はためらいがちに口を開いた。
「汐は、大丈夫なの?」
「え?」
「だからさ・・・・親善試合、って・・・」
「あぁ~~・・・凱のこと?」
「あ、まぁ、そうだけど」
凛は私があまりにもあっけなく彼の名前を出したことに戸惑っているのか、ストローでアイスカフェオレを一気に喉に通した。

