行き交う人の流れはますます多くなっている。 ベンチに座り、空を見上げた。 時々広がる花火の光に遠慮するように、ひとつふたつ遠慮がちに星が空の上に瞬いてる。 遠慮することないのに。 あなたたちが本当の主役なのに。 花火が上がると、一瞬止まる人の流れと歓声に、私は小さく息をついて視線を元に戻そうとした、 その時。 「あ~~~!」 という小さい女の子の声と共に、夜空の中をふわふわと飛んでいくのは、 銀色のフウセン。 屋台でさっきいっぱい浮いてたやつだ。