修ちゃんは、私の横顔を見てから、前を向いて黙ってしまった。
「修ちゃん?どうしたの?」
「さっきの話だけど・・・」
「・・・・・?」
「全日本選抜の話」
「あ、あぁ。本当全然知らないなんて間抜けだよね。クラブ卒業したら全然そんな暇がなくて」
卒論に取り掛かってる今は、確かにバスケのことから少し離れた生活をしている。
「全日本、って意味がわかる?」
「え?」
意味がわからず、首をかしげると、修ちゃんは少し視線を落としてから、ハンドルに手をかけた。
「今度、全米選抜チームと親善試合することになってる」
「え?」
胸の中の奥のほうがジキジキと痛み始めたのを勘付かれないように、窓の外の花火を見つめた。

