アルタイル*キミと見上げた空【完】


「なら、よかった~」


白い病院のベッドの枕に深く頭を沈めて、修ちゃんは天井を見上げたまま笑ってた。


「じゃ、私はこれで失礼するよ」


監督がトモの肩を叩いて病室を出て行った。


「本当に大丈夫だったんですか?」


トモが心配そうにたずねるのにも、修ちゃんは笑顔を崩さずに答えるんだ。


「あぁ。傷も出血の割にはたいしたことない、って先生も言ってたし」


そういうと、修ちゃんはトモから目を離して、私を見つめた。


「だから、自分の責任、とか思わないで。俺はしたくてしたんだから」


「でも・・・・」


「大丈夫、って言ってるだろ?な?」


「うん・・・修ちゃん、ありがとう」


「いいえ、どういたしまして」


おどけたように答える修ちゃんの言葉に、トモも凛も私もようやく表情が緩んだ。