病院に着くと、トモがエントランスで待っててくれた。
「今、タイチさんたちついたとこ。今処置してもらってる」
廊下には、タイチさんがぼーっと空を見つめてベンチに腰掛けてた。
「タイチさん。今来ました」
「お、おぉ」
タイチさんはかけられたトモの言葉に我に返ったように私達を見つめて、息をついた。
「汐ちゃん、修也が心配してる。悪いけど、顔見せてやってくれる?」
「はい・・・」
今だ震えがとまらない指先に力を込めて、病室のドアを開けた。
そこには、監督と何か話をしてる修ちゃんのすがたがあった。
「修ちゃん・・・・?」
「汐。お前、大丈夫だったか?」
うん。
声にならなくて首をたてに振ることしか出来ない。

