アルタイル*キミと見上げた空【完】


「離せよッ。俺はあいつに話があるんだよ。あいつのせいで俺の人生めちゃくちゃだよ」


そんなっ。


それは、逆恨み・・・。


「いいから来いよ」


「キャッ」


男が修ちゃんの腕を振り払って、私の二の腕をぎゅっと掴んだ。


瞬間、キラッと男の手に光るものが見えたかと思ったら、


私の体は突き飛ばされるように横にはじかれ、振り返ると、修ちゃんがカッターを持ったその男と取っ組み合っているのが見えた。


「きゃっ、修ちゃんっ!!」


あっ、と思った瞬間、修ちゃんの体が、ゆっくり崩れるように男の足元に倒れた。


っ!?


そして、その男もがくんとひざを落とした。


手から零れ落ちるカッター。


そこには・・・赤い色が染まっていて・・・。



「キャーーッ!!」



倒れた修ちゃんの前で、私はただ叫ぶことしか出来なかった。