「凱くん、今夜帰ってくるんだよね。結果はどうかなぁ」
「まだ、出ないみたい」
トイレの洗面台の前で、凛が髪の毛を直しながら何気なく交わした会話。
凱がアメリカに行ってからちょうど一週間。
その間も彼は約束どおり、毎日電話をしてくれた。
「ふぁあ~~~」
「汐、またあくび。ブサイクになってるよ」
「ほっといてよ」
「けど・・・・愛だねぇ。毎日愛のラブコール。いいねぇ」
「何才よ、凛・・・・」
凱からの電話は、多分向こうも気を使ってくれてはいるんだろうけど、どうしても朝方や深夜になってしまうことが多くて、少し寝不足気味なのは、確かにあるな。
今日・・・8時の便で空港に着く凱を迎えに行く予定だ。
久々に会えるのに・・・目の下のクマ、消えてくれるといいのにな。
鏡の中の自分に向かって顔をしかめた。

