「お前、すごいな。つか、お前の母さんそういえば料理上手だったよな」
「うん。それだけはすごい自慢」
「俺、好きだったもん。おまえん家で食べさせてもらうご飯」
「ママ、今でも言ってるよ。凱くんはいつも美味しそうにご飯食べてくれるから好きなんだって。また遊びにきなさい、って」
「ん・・・」
凱の表情が照れたように崩れた。
カウンターキッチンで向き合うように、茶碗を洗いながら、私はさっき浮かんだことを何度も自分に問いかけてた。
答えは、何度でも同じ。
キュッ。
水道のノズルを閉じて、凱をみつめた。
「ん?」
何?というような顔。
この瞬間も、やっぱり私をドキドキさせていくんだ。

