アルタイル*キミと見上げた空【完】


作る時間が短いもの、と考えたら、魚料理しか浮かばなくて、

ママの得意料理でもある、「鯖の味噌煮」をメインに、献立を考えた。


昔から、料理好きのママのとなりで、早く滑らかに動く包丁をとてもきれいだ、とおもってた。


毎日毎日、ママはいつも嬉しそうにご飯を作ってたから、何がそんなに楽しいんだろう、って思ってたけど・・・。


今、この瞬間わかる。


大事な人のために作る料理は、こうやって準備する側も充分幸せな時間をいただいてるんだってこと。


そうか・・・・・・。


そうなんだ。



「ぅおっ、スゲーいいにおい」


笑顔でテーブルに並んだ私の作った料理を見てくれる顔。


「超うまいんだけどっ」


ニコニコの笑顔で料理をほおばる顔。


凱、私ね・・・・。