アルタイル*キミと見上げた空【完】


「おじゃま、しま~~す、ってあれ?凱、どこか出かけてたの?」



迎え入れてくれた凱の格好。


スーツ?


・・・・かっこいいんだけど・・・。



「んな、見んな」


恥ずかしそうに、ジャケットをハンガーにかけながら彼はつぶやいた。


「大学、行ってきた」


「監督さんのところ?明日からのこと?」


「ん。それもあるけど、ほとんど怒られに行ったようなもんだな、うん」


「・・・聞いたよ?監督さんが凱の処分をとめてくれた、って」


「ん・・・あと、修也もな?」


「凱・・・」


修ちゃんの名前を言う時に、少し複雑そうな表情をした凱。

そんな彼に思わず言ってしまった言葉。

絶対嫌がるだろうな、ってわかってたのに。



「がい、ごめんね?」




思わず謝った私の頭を何も言わずにこつんと叩いて、凱は私の横を通り過ぎた。


「シャワー浴びてくる」


「うん・・・」



ホント、私はたくさんの人に助けられてる。


恩返し、しないといけないのだけど。