久しぶりに出た修ちゃんの名前に全然動揺しなかったかというと、ウソになる。
一ヶ月前はずっと一緒にいた人だから。
太陽みたいな笑顔をいつも私に向けてくれてた人。
だから、余計に心が痛む。
私はその人を裏切って、その手を離したんだ。
・・・
「汐、一緒にご飯行かない?」
放課後の部活の終わりに凛にかけられた言葉に、私は首を横に振って、玄関から飛び出した。
「ごめん。今日、ちょっと用事がある~!」
「そっか。凱くん、明日からだよね。頑張ってね、って伝えてね!」
「うん。ありがとう!!」
今は何も考えたくない。
凱のことだけで、頭の中をいっぱいにしたいから。

