凱の部屋で乾かしてもらった制服に着替えてマンションを出る頃には、もう外は暗くなっていた。
数時間前までと何も変わらないのに、
ずっとずっと凱を近くに感じる。
「送る」
自然につないだ手。
言葉はないけど、お互いがお互いのことを想ってるって無条件に信用できるんだ。
てっきり、遅くなって怒られると思ったけど、
送ってくれた凱を見たママは、また飛び上がるほど喜んで、上機嫌だった。
凱が一緒にいることで、遅くなったのが部活が原因だと思ったみたい。
「今度・・・・改めて言わなきゃな」
玄関先で、凱が微笑んだ。
「うん。。。。きっと喜んでくれると、思う」
「お前のお父さんが超こえーんだけどな」
「アハハ、大丈夫だよ」
「・・・・・・・じゃ」
「・・・・離れたくない、ね」
「明日、来てくれるんだろ?」
そう言って凱はにこっと笑って見せた。

