体育館の中にはもちろん誰もいなかったけど、さっきまでの部活の熱気がまだほんの少し残ってるような気がして、全然怖くなかった。 ガラッ。 倉庫の戸を開けると、まだこの時間でも明るい日差しが窓から差し込んでいた。 「ええっと…あ、あった」 戸棚の上、いつも救急箱がおいてある、その横。 見覚えのある冊子に手を延ばした。