アルタイル*キミと見上げた空【完】


「・・・・・親父がさ・・・・」


彼の胸から、ドクンドクンという胸の鼓動と共に、静かに声が響いてくる。


「親父が、そんなものをつくってるなんて知らなかった……。知らなくて俺…あの朝、ひどいこと言ったんだ。どうせ俺の誕生日なんて覚えてないんだろ?、って」



凱・・・。


彼は、ゆっくりとまるで自分自身に語りかけるように、話した。



「寂しかったんだ。けど、その言葉が恥ずかしくて言えなかった・・・・言っても困らせるだけだと思ってた。俺のことなんて・・・・考えてないんだ、って勝手に自分で思ってたんだ」



小さく震えるような彼の声に、たまらず、ぎゅっと彼の服をだきしめたまま掴んだ。



「・・・けどさ、あの時汐と空を眺めてさ、俺、本当に嬉しかったんだ、お前の言葉。ずっと一緒にいるよ、って・・・・だから、俺も親父に伝えようと思ってた・・・思ってたのに・・・」



凱の体が小さく震えて、言葉が詰まった。



凱・・・・っ!!



この私に何が出来るんだろう。


彼が抱えてきた孤独と寂しさに、何もいう言葉はなくて。


顔を上げて目を開けると、涙でにじんだ星空が見えた。