凱が唇を離すのと同時に、私の体の力も抜けていく。
「お前・・・・目くらい閉じろ」
「だって・・・急にだから・・・・」
「黙らないだろ?お前」
「・・・・」
凱はずるい。
言いたいことも、聞きたいことも、今のキスで全部飛ばしちゃうんだから。
「うそつき・・・」
「は?なんだよ、うそつきって」
「だって、キーホルダー、拾った、って・・・」
「あ?あぁ・・・・」
「大事なものなんでしょ?お父さんの・・・・」
「親父の・・・・?もしかして、聞いた?」
うん。
凱の腕の中で首を縦に振ると、彼の腕の力が強まったように感じた。
「私が・・・・もらっていいの?」
今の私がもらってもいいの?

