「でも、なんでここに汐くんがいるんだ?」 「・・・・大事な友達のお父さんが亡くなった日だから・・・」 「それは・・・凱?」 「・・・・はい」 とにかく、凱のお父さんに挨拶をしなきゃ・・・。 1年ぶりにきました、って。 凱に・・・またあわせてくれてありがとう、って・・・。 手をあわす私を、微笑みながら見ていた監督の視線が、ある一点でとまった。 「汐くん・・・これ・・・・」 私のカバンを凝視する監督の顔。 監督・・・・?