だけど、かけた携帯に凱は出なかった。
流れる機械の声に、さっきまでの勢いがしゅるしゅるとしぼんでいく。
もしかして、これがタイミングってやつ?
それとも運命?
そうだとしたら、一度離してしまったその運命を、今度こそ消したくはない。
けれど、どこにいるの?
やっぱり・・・サオリさんと一緒なのかな?
どんどん気持ちがしぼんでいく。
ううん。
もし・・・そうだとしても、なぜかはわからないけど、今日、今、すぐに凱に会わなきゃ、ってさっきから私の中の信号が強く私自身を動かしてる。
凱は多分あそこにいる・・・はず。
もし、タイミングが合ってたら。
私達の運命がかみ合っているなら。
この直感に頼ってみたい。

