アルタイル*キミと見上げた空【完】


「行こう?汐」


そうやって修ちゃんは先に立って歩き出したけど…


「……汐?」


止まったままの私に、修ちゃんは怪訝そうに振り返った。


「私…自分で帰るから」

「え?」

「こんな風に甘え続けちゃいけないんだよ。期待……もたせるようなこと、しちゃいけないんだよ…?修ちゃん、本当にごめんね」


そう言って修ちゃんの横を通り抜け走り出した私の後を、修ちゃんは追い掛けて来なかった。


最後…修ちゃんがみせた悲しそうな顔を、私はいつの日にか忘れることはできるのだろうか。


出来なくてもいい。


ううん。


忘れるべきではないんだ。

自分がしたことも含めてちゃんと覚えておこう。


頬の涙を拭って、私は顔を上げた。



さあ、行こう。