アルタイル*キミと見上げた空【完】


「やっぱりサオリさんのことがあるからかなぁ・・・・」



ダダダンッ。



ボールを磨いてた手が滑って、コロコロとボールは転がってゆく。



「ちょっと、汐、何してるの?」



「ご、ごめんっ」



昨日の夜のことをとっさに思い出して、顔が赤くなってるのを知られたくなくて、



誤魔化すようにボールを追いかけた。



そして、ボールに手をかけて上を見ると、凱がこっちをみてふっと笑うのが見えた。



目が合っただけなのに、顔がますます熱くなってるのを感じる。



急いで顔を抑えて、ベンチに戻った。



「汐・・・・?もしかして・・・・凱くんとやっぱりなんかあったの?」



「え?」



「今すごいいい感じの視線が見えちゃったんだけど~~~?」



「いや、あの・・・それは・・・・・・」

「おーい、集合!!」



重なったトモの声にほっと胸をなでおろして、


「集合だって」


そういって、凛の手を引っ張る私達の目の前に・・・・



「修也さん来てくれたぞ!」


修ちゃんが、皆に囲まれるように立っていた。