「やめ・・・・」 力が抜ける。 それは幸せの脱力感ではなく、あきらめの・・・。 「汐・・・・ごめん・・・」 同時に、ようやく離された唇は、夜風にさらわれてすぐに冷たくなる。 違う。 冷たいのは、夜風のせいだけじゃない。 頬を伝う涙が、火照った熱を一気に冷ましていく。 胸が、胸が痛いよ。 そして、気づいたの。 ごめん、って言うのは私のほうだ。 「修ちゃん・・・・もうだめ」