「汐ちゃん、だよね?」
不意に名前を呼ばれて気がつくと、雄太くんがにこっと笑って私を見た。
同じミニバスとはいっても、男の子と女の子は別々に練習してたから、
あんまり、しゃべったことはなかったのに、
いきなり、ちゃん付けで呼ばれたことに、少しだけ驚いた。
「凱、汐ちゃんの高校に行けたんでしょ?」
「え・・・・」
うん。
と言う前に、エッコが私の肩を揺らした。
「え~~!?凱くん、汐と同じ高校なの~? もう!なんでそれを早く言ってくれないのよ!?」
ちょ、ちょっと待って。
エッコ、落ち着いて。
てか、言う暇なかったし。
それより・・・
「雄太、くん?」
「ん?」
ジュースを一口飲んで雄太くんはまたにこっと笑った。
「私と同じ高校に行けた、ってどういう意味?」

