それでも首を横に振る私に凜はため息をひとつ落としてから、 一旦閉じかけた扉をもう一度開いて、 「あ、そうだ!今日のスコア持ってきてくれ、って頼まれてたんだ!汐お願い!机のうえにあるスコア、コーチに持って行ってくれる?じゃ、お願いね!」 「ちょ、凜?」 そんな私の言葉は閉じられたドアに虚しく跳ね返る。 凜。 その大声はわざとらしいから・・・。 きっかけをつくってくれてるんだよね、きっと。