波の音に凱の言葉は消されてしまわないように、耳を澄ます私の声に聞こえてきたのは・・・ 「汐!!」 目の前から歩いてくる修ちゃんの声、だった。 「修ちゃん・・・」 彼は私達に近づき、ある一点をみつめて、その表情が固まった。 瞬間、ぱっと凱が私の手を離して、 私はようやくまだ凱と手をつないでた、ってことに気がついた。 それだけ自然だったんだ。 けど・・・ 修ちゃんに見られた、という思いが私を下にうつむかせた。 見られた・・・・・・っ!