「キャッ」 掴んだ手が緩んで、私は危うくバランスを崩してしまった。 「わ!何やってん・・・・・・・だよ」 不意に伸ばされた凱の腕が私を抱きとめる。 やばい。 ドキドキしてる。 なんだろ、この感覚。 懐かしいような、嬉しいような・・・ 「ほら、ボーっとすんな」 凱はすぐに私の体を立たせて、手をつないだまま、岩場を渡っていく。 ドキドキしてるのがばれずにすんでほっとしてる自分に、 我ながら戸惑ってる。