すっかりがらくたに変わっちまった町々。

ビルは倒壊し、地面はあちこち割れている。

いっそ砂漠にでもなってくれれば歩きやすいのかもしれないが、

アスファルトは砕けてもやはりアスファルトのままとどまっていた。

気をつけて歩いていないと、アスファルトの亀裂は

地中何十メートルにも及んでいる。

落ちたら生きて出て来られるか怪しい。

けれど、次の町まではしばらくこの危ない道を進んでいくしかなかった。

俺の最終的な目的地じゃあないが、前に進んでゆくことが肝心なんだ。

前の世界なら飛行機でひとっ飛びの場所が、今はこんなにも遠い。

つくづくと楽をして生きてきたのだなと思う。

精神的にも物理的にも、俺たちは楽をし過ぎていた。

証拠に、なにもかもなくして建て直しが大変過ぎるものだから、

みんな諦めてしまっている。

町や村はあるものの文化的といえるかどうかはわからない有様だ。