どう答えれば正解なのか、

それこそアオはサクラに問いたかった。

―――俺はどう答えればいい？

正解が見つけられないままアオは答える。

なにか言わなければならないと思っていた。


「俺はサクラが死んでも
　サクラのことを
　忘れたりしない」

　だから。


続きはサクラの馬鹿にした笑いが遮った。

ハ！とサクラが笑う。


「俺しかツレいねぇもんな、
　おめぇは。

　忘れたりしねぇじゃなくて、
　忘れられねぇ、だろ？」


アオは何も答えず、苦笑を返した。

また自分の足先をみつめる。

友達がいないのはお前も同じだと、

言い返したら罰があたりそうな気がしていた。

ひどいことばかりを言うサクラ。

けれど、サクラは自分の言葉に傷ついている。

アオにはそう思えてしかたがなかった。