狂者の正しい愛し方



まず、宛名が見えた。


“晴姫へ”だ。


視線を下げると、その内容が白い封筒のときとは明らかに違うことが分かった。

それは本当に“手紙”だったから。


“晴姫へ”

“この二日、たった二日、お前の顔も、声も感じられない空間で、俺は生きること全てに絶望を覚えたよ”



『い、い、い、遺書ーーッッ!!??』