狂者の正しい愛し方




私と佐薙さんが仲直りをしたのは、次の日の朝。

運命の三日目だ。



落ち着いたインターホンの音で目が覚めた。


寝惚け眼で玄関まで歩き、扉を開ける。


そこにいたのは佐薙さん…



ではなく、宅配便のお兄さんだった。



爽やかな笑顔で、大きな段ボール箱とペンを手渡してくる。

受け取りのサインをしてから、その段ボール箱を貰った。


ありがとうございました、とお兄さんのハキハキした声を最後に、扉はまた閉まる。


大きさの割に軽い段ボールを見つめてから、

あ、親戚が食べ物送ってきたかな?なんて考えを引っ張り出す。



でも差出人の住所を確認すると


『…?』


隣町だった。