狂者の正しい愛し方



部屋を出てから5分ほど歩いてから、


「よし、付いてない。」


念入りに、ブレザーの襟の裏やスカートのプリーツ部分などを調べる。

時折後ろを振り返ることも忘れない。


極力、声と気配を出さないように、私は努めていた。



何故なら以前、女友達の家に泊まりに行くと言ったとき…


服に、小型の盗聴機を付けられたから。



流石に私も怒って、その日のうちに佐薙さんを問い詰めた。

するとなんと、あんにゃろうが返してきた答えは…



『俺は一分一秒でも長く晴姫を傍に感じていたいんだ。
このくらいは許して欲しい。』



だよ!!


いやいや、病的にもほどがあるでしょ!

そんな真似して罪の意識は無いのかー!!


ということを叫んだときも、やっぱり奴の答えは…