狂者の正しい愛し方



「あの男は、晴姫を壊そうとしてる!!」


半ば叫ぶように、お母さんは言った。

いくらなんでも酷いなあ。壊すだなんて。


「お母さん、何言ってるのさ。
佐薙さんは良い人だよ。私を大事にしてくれるの。」


「騙されないで!!
あの男は私から、晴姫を奪おうとしてるの!!!」


……こ、これは……お母さん、相当疲れてるな。

仕事のし過ぎはよくないんだよ。


「平気。佐薙さんは本当に良い人だもの。
今日だって映画に連れて行ってもらってさ、」

「!!!!」



お母さんが、明らかに動揺した。