狂者の正しい愛し方



流石に上に、下着以外何も着ないのは恥ずかしいから、持っていたグレーのTシャツを再度着て、私は笑顔で答えた。


「私の恋人。佐薙さん、っていうの。
お母さんにも前に言ったんだけどね。」


「あんな薄気味悪い男、やめなさい……!!」


「は?」



失礼な!確かに少し変な人だけどさ!

そう言おうとして、私はすぐに口を噤んだ。


何故ならお母さんが、今まで見せたことないくらい、恐怖に震えた表情をしていたからだ。


……何故だろう?

佐薙さんはあんなに格好良いのに、薄気味悪いだなんて。

変なこと言ったのかな?