「勝手に…上がり込んで…!!は、晴姫は…晴姫はどこ…!?」
声が上ずっているの、気付いているんだろうか。
「晴姫は二階に荷物を置きに行っていますよ。
もうすぐ下りてくる筈です。
お義母さんに、俺のことを紹介するために。
楽しみですね。」
晴姫以外に笑顔など向けたくない。が、ここは耐えるべきだ。
所詮作り笑い。
いくらでも、偽れる。
「馬鹿言わないで…!!
あの子は私の…っ、たった一人の娘よ…!!
あんたなんかに…渡さない!!」
「…………。」
たった一人の娘?
渡さない?
お前は晴姫を、愛していると?
親子愛、か。
素晴らしいな。美しい。



