「あれ?佐薙さんご機嫌ですね? 何かあったんですか?」 流石は晴姫だ。 俺の気持ちを一目で見抜くなんて。 教えてやりたいのは山々だが、生憎これは、今は教えられない。 その代わりと言ってはなんだが、俺は自身の手の平を、晴姫の白い指先に絡ませた。 「えっ!」 突然手を繋がれた晴姫は驚いたのか、目を大きく開けている。 犯罪級の愛らしさだ。 「今から、晴姫のご両親に挨拶に行こうと思う。」 すると予想通り、晴姫は大いに驚いた。