タカ「何?急に。」

ルカ「だって私にだけ名前で言ってくれないじゃん。」


タカは深いため息をついてめんどくさそうな顔をしてる。

なんでそんな顔をするの?

今までの不安が一気に押し寄せて心が締め付けられる。

タカ「…。女ってやっぱり…あれか。そういった細かい所を気にするよな。」

ルカ「…気にしちゃダメなの?それはタカにとって重荷になるんだ。」

なんか目が熱くなってきた。

私、泣きそうになってる。

タカはストレートに言う人だしタカにとってはどうでも良いことかもしれないけど、私にとっては重要なことなのに。

ルカ「もういいよ。マスター。ここにお愛想置いておくね。」

タカ「何?帰るの?なら俺も。」

ルカ「今はひとりにさせて!」

私は逃げるようにその場から離れた。

涙が一気に溢れ出し、視界を悪くする。


私を呼び止めようとするタカの声が逆に走るスピードを上げた。


恋ってこんな辛いことなんだ。

確かに些細なことを気にしすぎてるのは私でも気づいてる。


…ただタカの気持ちを探る一つの手だってことにも。