距離を開けて、敦子は抱き寄せられて乱れた髪を直してそっと手を出した。
「?」
「仲間だから、握手」
日焼けした敦子の手を、俊彦はそっと掴んだ。
「何の仲間だこれ」
「好きな人に気持ちは伝わってるのにひたすら追っかける同盟」
敦子の言葉に俊彦はまた頬を緩めて笑ってみせた。
「同盟規約によると、お前はこれから俺とお茶をする義務があるみたいだぞ」
「なにそれ、いつできたの規約」
敦子が笑ったので、俊彦は「今」と短く答えて手を引き歩き出した。
「そうだ、俺のお祝いいつしてくれるんだよ。実は楽しみにしてるんだぞ」
「あ、うんうん。千恵に電話するよ。幹事は千恵だよ。イタリアンだって」
南大路の繁華街に学生2人の姿が溶けて行く。
お茶をして、敦子はその足で潤の家へ向かった。
母から借りている合い鍵で部屋へ勝手にあがると、潤は中二階でタオルケットにくるまって眠っていた。
手元に置いてあるケータイには、康平と千恵の着信がある。
メールの着信があって差出人が堀口俊彦だったので敦子はいけないとは思いつつもそのメールを覗いてしまった。
俊彦とお茶した時に聞いた内容と同じだった。
敦子のことは、やっぱりお前に任せる──なんて。
やっぱりどうして、俊彦は『お父さん』キャラだ。
ぐっすりと眠る潤の髪を、敦子はちょいちょいと引いて寝顔を見たまま、暫く動かなかった。
「?」
「仲間だから、握手」
日焼けした敦子の手を、俊彦はそっと掴んだ。
「何の仲間だこれ」
「好きな人に気持ちは伝わってるのにひたすら追っかける同盟」
敦子の言葉に俊彦はまた頬を緩めて笑ってみせた。
「同盟規約によると、お前はこれから俺とお茶をする義務があるみたいだぞ」
「なにそれ、いつできたの規約」
敦子が笑ったので、俊彦は「今」と短く答えて手を引き歩き出した。
「そうだ、俺のお祝いいつしてくれるんだよ。実は楽しみにしてるんだぞ」
「あ、うんうん。千恵に電話するよ。幹事は千恵だよ。イタリアンだって」
南大路の繁華街に学生2人の姿が溶けて行く。
お茶をして、敦子はその足で潤の家へ向かった。
母から借りている合い鍵で部屋へ勝手にあがると、潤は中二階でタオルケットにくるまって眠っていた。
手元に置いてあるケータイには、康平と千恵の着信がある。
メールの着信があって差出人が堀口俊彦だったので敦子はいけないとは思いつつもそのメールを覗いてしまった。
俊彦とお茶した時に聞いた内容と同じだった。
敦子のことは、やっぱりお前に任せる──なんて。
やっぱりどうして、俊彦は『お父さん』キャラだ。
ぐっすりと眠る潤の髪を、敦子はちょいちょいと引いて寝顔を見たまま、暫く動かなかった。


