「堀口さんの卒業祝いね、五条坂のイタリアンにしようかって話になってるんだ。大丈夫かな」
「私がうまくごめんなさいできたら予約してね。気まずいのに食事一緒にしてお祝いとか、してもらいたくないだろうし」
「うん。応援してるからね」
「ちゃんと潤と向かい合うってことは、千恵にとってはライバルが戻ってくるってことなのに、応援されるって変なのー」
「私は、堀口さんと敦子両方を応援してるの」
うん。
敦子は声に出さずに千恵と視線を絡めたまま頷いた。
黙って差し出した左手を、千恵はぎゅっと握り締め、校門を出た。
駅へ向かう十五分の道のりで、ケータイを握り締め着信履歴を呼び出す。
着信履歴にある堀口俊彦の名前を、歩きながらじっと見つめる。
通話ボタンを待っている親指が震えた。
だがその震えも一瞬だけ。
敦子は思いきり通話ボタンを押した。
名前が点滅し、電話番号が液晶の中で点滅しながら右から左へ流れる。
その点滅速度は心臓の鼓動と一緒で、通話開始と共に画面が切り替わる瞬間に、ぱーんと弾けてしまいそうだった。
「はい──もしもし?」
「あの……あの、敦子です」
「うん。学校大丈夫だったか」
うん、と短く返事をして、敦子は深く息を吸う。
「あの……あのね」
「私がうまくごめんなさいできたら予約してね。気まずいのに食事一緒にしてお祝いとか、してもらいたくないだろうし」
「うん。応援してるからね」
「ちゃんと潤と向かい合うってことは、千恵にとってはライバルが戻ってくるってことなのに、応援されるって変なのー」
「私は、堀口さんと敦子両方を応援してるの」
うん。
敦子は声に出さずに千恵と視線を絡めたまま頷いた。
黙って差し出した左手を、千恵はぎゅっと握り締め、校門を出た。
駅へ向かう十五分の道のりで、ケータイを握り締め着信履歴を呼び出す。
着信履歴にある堀口俊彦の名前を、歩きながらじっと見つめる。
通話ボタンを待っている親指が震えた。
だがその震えも一瞬だけ。
敦子は思いきり通話ボタンを押した。
名前が点滅し、電話番号が液晶の中で点滅しながら右から左へ流れる。
その点滅速度は心臓の鼓動と一緒で、通話開始と共に画面が切り替わる瞬間に、ぱーんと弾けてしまいそうだった。
「はい──もしもし?」
「あの……あの、敦子です」
「うん。学校大丈夫だったか」
うん、と短く返事をして、敦子は深く息を吸う。
「あの……あのね」


