√番外編作品集

「堀口さんのことだから、黒沢のこととかもまとめて敦ちゃんラブ、って言ってくれてんでしょ」

「だから、それが何? 別に河田君に認めてもらうことじゃないし」

「そりゃそーなんだけど。黒沢はどーなんの?」

「潤が、何? 別にどうもこうもなくない?」

「どうもこうもあるだろ、ちゃんと黒沢に言えよな? 堀口さんと付き合うことにしましたって」

「どうして潤に言うわけ? 潤は私の保護者じゃないし」

「あのさ、敦ちゃんあいつのこと好きでしょうがないから、ちょっとヤケになってるようにしか俺には見えないんだよ。他のヤツと付き合ってヤキモチ焼いて欲しいってか、一方方向に疲れたっていうか」

 敦子はそこまで言われると、感情的に声を上げた。

「河田君に言われたくない」

「そうかもね。自分のこと棚上げだけどだからこそ言えるよ。誰か引きずって付き合っても意味ないよ。敦ちゃんが一番よく知ってることじゃん」

康平はいつものような浮ついた話し方でなく、ポケットに入れていた手を出して続けた。

「だから、河田君に言われたくない」

「じゃあ、黒沢に言われればいいわけ? お前分かってんだろ? 逃げてどうすんの?」

「お前とかゆーな!このお手つき男!」

「堀口さんと付き合って朝帰りもいいけどさ、黒沢に負い目があって家族に連絡できないくらいなら、お前もお手つきなんかしてんじゃねーよ!」

康平が上げた声に敦子の体が痙攣した。

「そんなに好きなのに、逃げるな!」

「なんでそんなこと、あんたに言われないといけないの!」