得意の問題を時間を計りながら解く。

周りでまだシャープペンがノートと摩擦する音を感じながら、答えを出し終えると

一番に答えに辿り着いて迷宮から抜けだした!

こういう瞬間を独占できる。

まだみんなは下を向いて問題と向かい合っている。



その中でふと違和感を感じた。




あのヒト、寝てる。



目立つ頭の河田君の前の席。

問題を解くのに机を見ているんじゃない。


それはもう、めっちゃ突っ伏してる。


先生巡回してくるのに、寝るってどういう神経してるの?

ってほら、もう、先生来てるよ?

案の定

先生は彼の隣で止まって机を覗き込んだ。


先生が軽く頭を叩くと、彼は顔を上げた。

あ、寝癖。


「お前、黒板で解答!」

先生の声は怒っていたし、周りはクスクス笑っていた。