絵を見るたび思う。

潤の優しさは、言葉にも形にもできない。


いや

言葉や形にしてはいけないものなのかもしれない。


雪の中、先を行く潤の姿を思い出す。


そう


雪なのかもしれない。




春には溶けて消えてしまう雪のような。


「敦子、潤が迎えに来たわよ」

「あ、今行くーちょっと待って」

「朝練と同じ時間に起きればいいでしょ、部活がお休みだからって、もうー敦子は」

ダイニングのパパに行ってきますのあいさつをして、玄関へ飛び込んだ。

ドアをあけたら

冬のように冷たくて

雪のように優しい彼が待っている。

わたしの すきな ひと



END Thank you!