「由美!こんな時間じゃない!もう帰りなさい。」


「え〜。まだ5時じゃん。まだ大丈夫だよ!」


「ダメ。お父さんやお母さんが心配するでしょ!」


「大丈夫だって!私だってもう20歳なんだよ。それにまだおばあちゃんと一緒にいたい。」


「親はね、子供がいくつになっても心配するものなのよ。また来週会えるでしょ!ね?由美?」


「・・・うん。わかった。じゃ、また来週来るね!」


「あら。嬉しいわね〜。来週が楽しみね!」


私の頭を撫でながら
くしゃっと笑う
おばあちゃんの笑顔は
私を安心させてくれる。


名残惜しそうに
病院を後にした。


外からおばあちゃんの
病室を見つけ
何度も何度も
手を振る。
おばあちゃんも
私に気付き
何度も何度も
手を振り返してくれた。


また行きと同じように
長〜い一本道を通る。