「ゆ〜み〜!
もう!何処行ってたの?」
「えっ!?」
「隣にいた由美が急にどっか行っちゃうんだもん」
「あっ・・ごめん」
「友達来たみたいだね
じゃ、気をつけてね」
「えっ・・あ・・はい!」
信号が青になった途端
男の人は横断歩道を
スタスタと歩いて
私の目の前から居なくなった
「ゆ〜み〜!今の誰?」
ニヤニヤと笑う幸の顔は
とても恐ろしく
今まで見た事のない笑顔だった
「助けてくれた・・・」
「助けてくれた?」
さっきあった経緯を
幸に話す
「あんた!危ない!」
と怒られる始末・・・
「でもあの人かっこよかったね」
「ねぇ、幸?私ね、好きな人がいるって言ったじゃない!」
「電車で会う人?」
「そうそう!さっきの人がその人!」
「えっ!え〜〜!!まじ?」
「まじ・・・」

