大通りに出た私達は
目的地のショッピングモールへと急いだ。


幸は
「愛しのダーリンからだ」
と甘ったるい声で
愛しのダーリンとやらと
電話中・・・


私はそんな幸を
羨ましそうに想い
流れる車と
流れる人々の群れを
観察しながら眺めていた


可愛い服あるといいな

あっ、あの人可愛い

ぷっ、今こけそうになってるし!

ってか、あち〜。

あっ!日焼け止め塗ってね〜。
最低〜。





「危ない!!」


えっ?


知らない人から腕を引っ張られた


何!?


「君、信号赤だよ。」


え?


下を向いていた私は
前を向いて信号を見た


あっ!本当だ!
信号赤だ・・・


「あっ!ごめんなさい。ありがとうございます。」


「今度からは前を見て歩こうね!」


「はい!気をつけ・・・」


言いながら顔をあげた私は


え!?え・・・!?うそー!!


数秒間その人を見つめた


「ん?どうしたの??」


「えっ!?あっ・・・いえ何でもないです。スイマセン。」