愛すべき君へ



女の叫び声が聞こえた。

「何?」

僕は雅と声の
する方へと向かった。

そこにはそらと
莢花がいたんだ―

ドクンドクン...

僕の心臓が高鳴る。

「おい、何やってんだよ」

僕はそう言って
莢花の前に立ち尽くした。

「叶は、その女をかばうの?」

莢花は僕を睨みつけた。

「は?」
「どうして...?
私のことは?捨てたの...?」

莢花の言っている意味が
ワカラナイ―

「お前には愁悟がいるだろ」

僕は冷静に答える。

「そうだけど」
「そらに何したの?」

僕は怒りを通り越していた。

「別に」
「そら、何された?」

僕はそらの前に
しゃがみこんで言った。

「いきなり...殴られたの」

そらは僕に訴えてきた。