愛すべき君へ



その夜は月明かりが
とても眩しい夜だった。

僕はブランコに乗って
そらの到着を待っていた。

キィ...キィ...

ブランコのサビの音が
響き渡る。

「なんか、ブランコ合わない」

そう言って現れたのは
そらだった。

「そら...」

僕はそらを見て
顔が熱くなった。

月明かりが眩しい。
お願いだから僕を
照らさないで...
顔が赤いのバレちゃうよ。

なんて女みたいなことを
僕は考えていた。

「ベンチでも行かない?」

僕はそう言って
ブランコから降りて
歩き出した。

「うん」

そらは小走りで
僕の後ろを追った。