愛すべき君へ



「真璃南...?」

僕は確認するように言った。

「叶...」

莢花を名乗る女は
僕の名前を知っていた。

「なんで...
名前違うんだよ?
説明しろよ」

僕は莢花と名乗る女を
問い詰めていた。

「叶、何言ってんだよ。
お前が莢花を知ってる
はずなんてないだろ?」

愁悟は僕を止めにかかった。

「ちゃんと話せよ真璃南!」
「真璃南じゃねえよ!!莢花だよ!!」

愁悟は怒鳴った。

「ちげえよ...
真璃南だよ...
そうだよな?真璃南...」

莢花と名乗る女は
うつむいた。

「やめろよ叶...」