愛すべき君へ



「莢花!」

愁悟はその女を見て
叫んだ。

「莢花...?」

真璃南じゃない。
だけどあの表情は
なんだったんだ―

「愁悟くん...」

莢花という女と
愁悟は立ち話をしていた。
僕は莢花を見つめて
真璃南を思い出すのが
怖くて見ることが
できないままでいた。

「叶!これがさっき
言ってた莢花だよ!」

愁悟は俺を見て
紹介してきた。

知ってるよ。
そいつ...
絶対に真璃南だよ...