「雪洞姐さん??」









松が、そっと呼びかけた。








織閖は、泣き腫らした瞳で松を・・・雪洞を見つめていた。








「あぁ・・・昔を思い出してね。」









「昔?」








「そう・・・昔々のお話。お前とは、似ても似つかないほどの性格をしたある禿が・・・お前と同じ境遇にあったんだよ。」










「え?」










「また、いつか話してあげよう。今日は、御戻り。」










松は、ポカンとした後、すぐに頭を下げて去っていった。