静かな月の宿る夜









『雪月、この吉原で桜が散ったら・・・ここ地獄から出してやろう。』










『断り申しんす。』











『わっちは、自分の足でここを出ていきんす。自分の足で、ここを出ていくために・・・』











『わっちは、花魁になる』












そう・・・









すべてを乗り越えたとき。








何を得られるか。








何が自分の宝となるのか。










雪洞は・・・知っていた。